3.5MHz用アンテナ
昨日今日と11月とは思えない秋日和です。 前々から3.5MHz用のアンテナを張ろうとは考えておりましたが、敷地の関係から決心がつかず伸び伸びになっていました。 1週間ほど前に意を決して、とりあえず逆V型のダイポールを上げてみることに。 材料は2m/m Sq.のIVにしたかったのですが、あいにく5.5m/m Sq.しか手持ちが無くて、少し重いのですが我慢します。 一応片側の長さを1/4λでほぼ20m余り、同軸ケーブルは電気長1/2λの長さで調整に備えます。 やっぱり狭い敷地の悲しさ、片側がどうしても弛んでしまうのですが、そこは割り切ってアンテナアナライザーで測定してみました。 結果はR = 81 ohm, X = -20 ohm で SWR ≒ 1.8 と大体想定していた状況です。
⇓ 製作したダイポール(トラロープで上に巻き上げます)
⇓ ワイヤーの張りはこれが精一杯。
そこで、インピーダンスのマッチングの為、パソコンソフトを使ってL/C回路の計算をさせて、Lは硬銅線で作り、Cは同軸ケーブルで代用させて給電部へ取り付けてみました。 その結果SWRは1.2まで下がり実用になるところまで来ました。
⇓ マッチング用のL/C
ここで問題が頭をかすめました。 タワーの昇降時にはこのアンテナのワイヤーがタワーの足場、それに足場に付けてあるテレビのアンテナや風速計の風杯、さらにカーポートの屋根などに引っかかるので、その都度に処理をしなければ、どちらかが壊れてしまいそうです。 これから雪の季節になり、吹雪や強風の予報の度に上げ下げする事を思えばこれは大問題。 敷地の狭さに泣かされるのは、私ばかりでもありませんが・・。
仕方がないので今度はダイポール型を諦めて、タワーから1/4λのワイヤーを斜めに1本だけ張る「スローパー型」に挑んでみました。 チマタでは「DXにも良く飛ぶ」との噂も聞いた事があります。
⇓ スローパーアンテナの略図
概略
概略は図の通りです。 このアンテナについてはアマチュア無線を楽しんでいる多くの方がブログやH.Pに記事を載せておられますので詳細は省略。 さて、この図のような作りで、タワーを上げ下げしてもワイヤーが引っかからないように引く方向を定めました。 出来上がって先ず測定です。 上げっぱなしでは、SWR最良点は3.450MHz, SWR = 1.12, R = 54.5 ohm, X = 1.3 ohmという結果が出ました。 目標は3.54MHzなので、ワイヤーが少し長いようです。 再び測定器を繋いだまま、ワイヤーを少しずつ切り詰めていきます。 調整後のSWR最良点は3.540MHz, R = 52 ohm, X = 0.8 ohm, SWR = 1.03 という上々の数値になりました。 大事なのは、調整で使用する同軸ケーブル5D-2Vは、目的周波数の電気的2分の1波長であることです。 これが半端な長さで調整にかかると、何をやっているのか解らなくなるので要注意です。 測定結果から見てOKとは思っていましたが、実際に送信機と繋いで試してみた所では、3.501 ~ 3.574までSWRは1.1以下で意外と帯域が広くて嬉しい結果となりました。
⇓ 給電部の様子
給電部は、アルミ板を加工してコネクタを取り付け、同軸の外皮が直にタワーと繋がり、芯線はシリコン剤で防水して線をエレメントワイヤーと接続しています。
結果的には、特別にマッチング回路などを設けないで済みましたが、どうも「運」も味方したようで、やっぱりやってみなけりゃ判らないのがアンテナだという事を改めて実感させられた経験でした。
⇓ 使用したアンテナアナライザ AA-54 の表示画面です。